IP(インターネット・プロトコル)とは?
共通の約束事
インターネットにつながるすべてのものが共通して利用する「通信の手順に関する約束事」です
- 通信対象:全世界/全メーカ共通で採用されているため、インターネットを利用して全世界と通信できる
- 通信手段:物理的な回線の種類(電話回線、有線/無線LAN、光ファイバ、通信衛星など)を問わない
- 通信内容:0/1で表現できることであれば、メッセージの内容を問わない
IPを技術基盤として共有することで、メッセージの種類や内容、通信手段を問わず、インターネットを利用するすべての人が支障のないコミュニケーションが実現しています
IPにはバージョンがあります
これまで主に利用されてきたのはIPv4(バージョン4、第4版)です
- 20年以上前に策定された、古くて安定した技術です
- シンプルで汎用性の高い構造ですが、今日のようなインターネット利用の急激な拡大・多様化を想定していません
IPv4の課題
IPアドレスの数が少ない
IPを使って通信を行う際、お互いの機器を認識するための固有の番号を「IPアドレス」といいます
このIPアドレスの数が、IPv4では約43億個しか用意されていません
地球上の全人口(60億)にも足りないこと、すでに一人で複数のIPアドレスを利用する状況が広がっていること、インターネットは今後も多様に大きく成長するであろうことなどから、アドレスの不足が予想されています(現在2011年頃と予測)
機能がつぎはぎである
現在のような用途や規模を想定していないため、新たに機能を追加する必要があり、サービスが複雑化します(例:セキュリティ機能やブロードキャスト=放送型の情報配信の仕組みなど)
ネットワークがつぎはぎである
アドレスを節約する必要から、ネットワークの中にさらに子ネットワークを作る技術が開発されていますが、これによってネットワークが複雑化し、アプリケーションの利用などに支障がでてきています
管理者にとっては管理しづらい、利用者にとっては設定が面倒、といった事態が生じています
IPv6の特徴
IPアドレスの数が無限に近い
約340澗個(43億の4乗個)のIPアドレスが用意されています
IPv4にはなかった(かつ現在求められている)機能を標準で搭載している
セキュリティ・認証:IPsecという技術でなりすましや改ざんを防ぐ
帯域制御:伝送路の容量を情報の側で制御できる
マルチキャスト:一度に複数のホストに情報を送信できる
■ これまでよりも「かんたん、安全、自然に」インターネットを利用することができます
■ パソコンや携帯電話だけでなく、これまでインターネットが利用されていなかったさまざまなものが接続され、新しい便利なサービスが生まれたり、従来のサービスがより使い勝手がよくなったり、安価になることが期待されます
IPv6は、社会基盤としてのインターネットを実現する技術です
これからの情報社会の実現においてインターネットは不可欠なものになっている
すでに多くの人がインターネットを「不可欠な社会インフラ」として認識している
仕事や日常生活でインターネットを利用することはもう「当たり前」のことになりつつある
インターネットはさらに多岐・多様に利用されていく
これまでは「コミュニケーション手段」として認識されることが多かった
これからは、制御系ネットワークなど「非コミュニケーション領域」での活用も拡大していく
インターネットを生活の中で多様かつ簡単・安心に利用できるための基盤整備が必要
コミュニケーションにとどまらない多様な分野でのインフラとして拡大・浸透していく可能性がある
「いつでも、誰でも、どこでも」かつ「簡単、安全」に利用できるよう、インフラとしての整備が必要
IPv6によってインターネットはこれまで以上に「社会基盤」になると期待されています
多様につかう
- IPアドレスの数がほぼ無限大に等しいだけ用意されており、生活空間内の多くのものがインターネットを利用できる
安全につかう
- 当初からセキュリティ対応がなされており、利用者が特に気にしなくても最初からある程度の安全性が確保されている
楽しくつかう
- QoS(通信品質の制御)や自動設定など、利用者が使いやすく、またさまざまなビジネスモデルを許容する技術が搭載されており、サービスが多様化する
簡単につかう
- 当初から大規模かつグローバルなネットワークを想定して設計されているため、通信効率の向上、管理や運営のコストが低減し、利用者も安心で気軽、安く利用できるようになる